コラム
屋根材ごとの塗装のポイント!スレート・瓦・金属屋根の違い
こんにちは!
大和市で外壁や屋根の塗装を中心に、住まいのリフォームを手がけている株式会社ウスイ建装です。
「屋根の塗装って、どの屋根でも同じじゃないの?」と思われる方も多いのですが、実は屋根材の種類によって最適な塗装方法や使用する塗料、そしてメンテナンスのタイミングは大きく異なります。屋根は建物を守る最前線にあり、素材ごとの特徴を理解したうえで適切な施工を行うことが、長持ちする住まいづくりにつながります。
今回は、スレート・瓦・金属という代表的な3つの屋根材を取り上げ、それぞれに合った塗装のポイントをわかりやすく解説していきます。屋根塗装を検討中の方は、ぜひ参考にしてくださいね!
スレート屋根の塗装ポイント
スレート屋根(コロニアルとも呼ばれます)は、薄くて軽量でありながらデザイン性も高く、コストも比較的安価なため、多くの戸建て住宅で採用されている人気の屋根材です。施工性に優れ、日本の住宅事情に合った扱いやすさが魅力ですが、その一方でデメリットも存在します。表面の塗膜が紫外線や風雨によって劣化しやすく、塗装が剥がれると水分を吸収してしまうのが特徴です。その結果、コケやカビの発生、さらにはひび割れや反りといった深刻なダメージにつながる恐れがあるため、注意が必要です。
塗装を行う際の主なポイントは以下のとおりです。
高圧洗浄でしっかり汚れやコケを落とす
汚れやカビが残ったまま塗装すると、仕上がりが悪くなるだけでなく、塗膜の早期剥離につながるため、高圧洗浄でしっかり汚れを落とします。下地をきれいに整えることが、美しく長持ちする塗装の第一歩です。
下塗り材(シーラー)で密着性を高める
素地と塗料をしっかり結合させるために欠かせない工程です。これを省いてしまうと、せっかく塗装をしても短期間で浮きや剥がれが発生してしまう可能性があります。
“縁切り”(タスペーサーなど)を必ず行う
塗装で屋根材同士が密着すると通気性や排水性が失われ、雨水が逆流して雨漏りを引き起こすことがあります。タスペーサーを用いた縁切りで適度な隙間を確保し、水の通り道をつくることが重要です。
スレート屋根の耐用年数はおよそ10年とされており、色あせやコケの繁殖が目立ってきたら塗り替えのサインと考えましょう。特に日当たりの悪い北面はコケやカビが生えやすく、劣化の進行も早い傾向にあります。劣化を放置すると修繕範囲が広がり、部分補修では済まず、葺き替えやカバー工法といった大掛かりな工事が必要になるケースもあります。
定期的な点検とメンテナンスを心がけることで、屋根本来の防水性を維持し、住まい全体を長持ちさせることにつながります。スレート屋根をお使いの方は、10年を目安に一度点検し、必要に応じて塗装を検討するようにしましょう。
瓦屋根の塗装ポイント
瓦屋根には大きく分けて「陶器瓦」と「セメント瓦」があります。どちらも日本の住宅で長く親しまれてきた屋根材ですが、その性質やメンテナンス方法は大きく異なります。
まず陶器瓦は、表面を釉薬で高温焼成しているため防水性に優れており、色あせや塗膜の劣化がほとんどありません。そのため基本的には塗装によるメンテナンスは不要です。とはいえ、地震や台風などで瓦が割れたりズレたりするケースは少なくありません。こうした物理的な破損を放置すると雨水の侵入や雨漏りの原因となるため、塗装よりも定期的な点検と補修が重要になります。特に棟部分の漆喰が剥がれていないか、瓦が浮いていないかなどを意識して確認しておくと安心です。
一方でセメント瓦は、表面を塗膜で保護しているタイプのため、風雨や紫外線の影響で塗膜が劣化しやすい特徴があります。塗膜が剥がれると瓦自体が水を吸収してしまい、コケやカビが発生しやすくなります。さらに劣化が進行すると瓦そのものの強度が低下し、ひび割れや欠けのリスクも高まります。そのため、定期的な塗装メンテナンスが欠かせません。
セメント瓦を塗装する際の主なポイントは以下のとおりです。
表面の劣化を丁寧にチェック
ひび割れや欠けがあれば補修を行ってから塗装することが大切です。補修を怠ると塗装後も不具合が再発しやすくなります。
塗料の密着性を高める下塗りが必須
専用のプライマーを使用することで塗料の定着が良くなり、耐久性の高い仕上がりになります。
防カビ・防藻効果のある塗料を選ぶと安心
苔やカビの再発を防ぎ、美観を維持するとともに屋根全体の寿命を延ばすことにつながります。
セメント瓦の塗装は、見た目を美しく保つだけでなく、防水性を維持し雨漏りや劣化を防ぐためにも非常に重要です。一般的には10〜15年ごとを目安に塗り替えを検討するとよいでしょう。定期的に点検を行い、劣化のサインを見逃さずに早めの対応を心がけることで、住まいを長く守ることができます。
金属屋根の塗装ポイント
金属屋根には、ガルバリウム鋼板やトタンといった種類があり、軽量で耐震性に優れていることから、近年の住宅やリフォームで多く採用されています。瓦やスレートに比べて重量が軽いため、建物全体への負担が少なく、地震の揺れに強いのが大きな魅力です。また、デザインの自由度も高く、モダンな住宅や洋風建築にも合わせやすい特徴があります。
しかし、金属ならではの弱点として「サビ」が挙げられます。塗膜が劣化して保護機能を失うと、雨水や湿気が金属部分に直接触れ、サビが広がってしまいます。小さなサビであれば補修できますが、放置すると急速に進行し、やがて穴あきや雨漏りの原因になることもあります。そのため、定期的な塗装メンテナンスで防錆性を維持することがとても重要です。また、金属屋根は断熱性が低いため、夏場は熱がこもりやすい傾向があります。遮熱性の高い塗料を使用することで、室内環境を快適に保つ効果も期待できます。
塗装を行う際の主なポイントは以下のとおりです。
ケレン作業でサビや古い塗膜を除去
サビや劣化した塗膜を残したまま塗装すると、新しい塗膜がしっかり密着せず、早期に剥がれてしまいます。下地処理を丁寧に行うことが仕上がりの良し悪しを左右します。
防錆効果のある下塗り材を使用
金属専用のプライマーを塗布することでサビの進行を抑え、塗膜の密着性も向上します。
耐候性・遮熱性の高い塗料を選ぶ
紫外線や熱による劣化を防ぎ、屋根の寿命を延ばすと同時に、住まいの快適性向上にもつながります。
金属屋根は塗装を怠ると劣化が一気に進行しやすいため、早めのメンテナンスが肝心です。目安としては10〜15年ごと、もしくは色あせや表面の浮き、サビが目立ち始めたときが塗り替えのサインです。適切な塗装を行えば、美観を保つだけでなく、耐久性や防水性を長期間維持でき、安心して暮らせる住まいを守ることができます。
屋根塗装にかかる費用の目安と内訳
屋根塗装を検討する際、多くの方がまず気になるのが「どのくらい費用がかかるのか?」という点ではないでしょうか。実際の費用は屋根の種類や面積、劣化の度合い、使用する塗料のグレードなどによって変動しますが、おおよその目安を知っておくと安心です。
一般的には以下のような価格帯が想定されます。
- スレート屋根:50〜80万円程度(足場代・高圧洗浄・下塗りを含む3回塗りが基本)
- 金属屋根:60〜90万円程度(ケレン作業によるサビ落とし、防錆処理を行ったうえでの塗装)
- セメント瓦:70〜100万円程度(表面の補修作業込みでの塗装)
このほか、劣化が進んでいる場合には下地補修や棟板金の交換、雨樋の修理などが追加で必要になるケースもあります。したがって、トータルでどの範囲まで工事に含まれるのかを、事前にしっかり見積もりで確認することが大切です。
塗料のグレードごとの費用差も
屋根塗装の費用を大きく左右する要素のひとつが「塗料のグレード」です。同じ屋根面積でも使用する塗料によって金額も耐久性も変わってきます。
もっともリーズナブルなのが ウレタン塗料。初期費用は抑えやすいですが、耐久年数は6〜8年程度と短く、頻繁な塗り替えが必要になる点がデメリットです。次に一般的に多く選ばれているのがシリコン塗料。価格と耐久性のバランスが良く、10〜12年ほど持つため現在の主流となっています。さらにワンランク上のフッ素塗料は耐久年数15年以上と長持ちし、汚れに強い特徴があります。そして最も高耐久なのが無機塗料。20年近く持つとされ、費用は高めですが長期的にはメンテナンスコストを抑えられるケースが多いです。
「なるべく費用を抑えたい」、「費用は少し高くなっても長持ちする塗料を使いたい」など、あなたのニーズに最も合った塗料をぜひプロの専門業者と相談してみてください。
相場より極端に安い業者にはご注意を
屋根塗装を検討する際、つい「できるだけ安く済ませたい」と考えがちですが、相場より極端に安い業者には注意が必要です。安さの理由として多いのが、塗料の品質を落としたり、必要な工程を省略したりする「手抜き工事」。見た目は一時的にきれいになっても、数年で塗膜が剥がれたり、防水性が低下したりと、かえって追加の修繕費がかかるケースもあります。見積もりの内容を比較し、使用する塗料や施工方法まで確認してから依頼するようにしましょう。 価格と施工内容のバランスを見極め、信頼できる業者に依頼することが、長持ちする屋根塗装への近道です。
まとめ:屋根塗装で失敗しないために
屋根塗装は、屋根材の種類によって適切な方法や注意点が大きく異なります。スレート・瓦・金属屋根、それぞれに特有の特徴があり、それを理解したうえで正しい施工を行うことが、住まいを長持ちさせるための大切なポイントです。
とはいえ、「自分の家の屋根がどんな素材なのか分からない」「そもそも塗装が必要なのか判断できない」と感じている方も多いのではないでしょうか。実際、屋根は高所にあるため劣化の進行に気づきにくく、専門知識がないと判断が難しい部分でもあります。だからこそ、まずは信頼できる専門業者に状態を見てもらうことが大切です。
株式会社ウスイ建装では、ホームページから無料相談、お見積もりを随時承っております。経験豊富なスタッフが現地調査を行い、屋根材の種類や劣化の進み具合を丁寧に確認。そのうえで最適な塗装プランをご提案いたします。大切なお住まいを守るために、どうぞお気軽にご相談ください!
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