コラム
外壁の凍害とは?冬に起こる深刻トラブルと予防・対策を徹底解説
こんにちは!大和市を中心に、外壁・屋根の塗装やお家のリフォーム全般を手がけている株式会社ウスイ建装です。
冬本番が近づき、寒さが厳しくなってくると、「外壁がボロボロしてきた」「表面が膨れたり、剥がれてきた」などのお問い合わせが増えていきます。実はその症状、凍害(とうがい)が原因かもしれません。凍害は気温が0℃前後になる地域で起こりやすく、外壁の劣化を一気に進める厄介な現象です。
この記事では、凍害が発生するメカニズム、起こりやすい外壁の特徴、放置するとどうなるのか、そして大切なお住まいを守るためにできる予防策まで、わかりやすく解説していきます。
冬の外壁に少しでも不安がある方は、ぜひ参考にしてください!
目次
凍害とは?仕組みをわかりやすく解説
凍害(とうがい)とは、外壁材に染み込んだ水分が凍結と融解を繰り返すことで外壁を内部から破壊してしまう現象のことです。冬の気温が0℃前後を行き来する地域で特に発生しやすく、外壁の劣化を一気に進める厄介なトラブルです。
そもそも水は、凍ると体積が約1.1倍に膨張します。外壁内部に入り込んだ水分が凍ると、外側に向かって膨張し、外壁材に強い圧力(膨張圧)がかかります。翌日気温が上がると再び溶け、また水として外壁に残る。この「凍る→溶ける」のサイクルが何度も繰り返されることで、外壁は徐々にダメージを受け、次のような症状が見られるようになります。
凍害で引き起こされる外壁の症状例
- ひび割れ(クラック)
- 塗膜の浮き・剥がれ
- 外壁表面の膨れ
- モルタル表面の粉化(チョーキング)
- 外壁材の欠け落ち
特にモルタル外壁やサイディングの継ぎ目(シーリングの劣化部)は水が侵入しやすく、凍害リスクが高まります。
劣化が進むと内部の構造材にまで影響が及び、雨漏りや外壁の崩落につながるケースもあるため、早めの点検・メンテナンスが重要です。凍害の仕組みを知っておくことで、外壁の異変にいち早く気づくことができます。
凍害が起こりやすい条件
凍害はどの家でも起こり得るトラブルですが、特に次のような環境や外壁の状態がそろうと、発生リスクが一気に高まります。条件を知っておくことで、早めの対策や点検につながります。
気温が0℃前後になる地域
凍害は、外壁内部の水分が「凍る→溶ける」を繰り返すことで発生します。そのため、寒冷地だけでなく、内陸部・高台・放射冷却が起きやすい地域なども注意が必要です。一日の中で温度差が大きいエリアほど、凍害は起こりやすくなります。
外壁のひび割れ・吸水性の高い材料
モルタル外壁やセメント系素材は吸水性が高く、水を内部にため込みやすいのが特徴です。ひび割れ(クラック)や塗膜の劣化があると、さらに多くの水が浸入し、凍害が進行しやすくなります。
シーリングの劣化による隙間

サイディング外壁の継ぎ目(シーリング)が劣化すると、そこから壁内部へ雨水が侵入します。内部の断熱材や下地に水がしみこむと、凍結によって構造部分まで劣化が進む恐れがあります。
日当たりが悪く、湿気が溜まりやすい場所
北側や風通しが悪い面は乾きにくく、水分が残ったまま夜間の低温にさらされるため、凍害が発生しやすい条件がそろいやすい場所です。
凍害を放置するとどうなる?リスクは想像以上
凍害は一見すると「外壁の一部が剥がれているだけ」「少し膨れているだけ」に見えることがあります。しかし、実際にはその裏で外壁内部が大きく傷んでいる可能性があり、放置すると建物全体の寿命に関わる深刻なトラブルへと発展します。
外壁材が内部から崩れる(構造的な強度低下)
凍害による膨張圧は外壁材の内部にダメージを与えるため、表面だけでなく中身がスカスカになってしまいます。こうなると外壁材の強度が失われ、触ると「ボロボロ落ちる」状態に。外壁が自重に耐えられなくなるケースもあります。
雨漏りを引き起こす
ひび割れや剥がれ部分から雨水が侵入すると、外壁内部の防水層まで損傷し、室内への雨漏りにつながります。凍害は「外壁の問題」と思われがちですが、実際には屋根・バルコニー・窓周りなどにも影響が及ぶことがあり、家全体の防水性能を大きく損なう原因になります。
補修費用が高額になる
初期段階であれば、ひび割れ補修や部分塗装などで対応できる場合もあります。しかし、放置して劣化が進むと、外壁全面張り替え・下地補修・大規模な防水工事が必要になることも。わずかなひび割れの修繕と比べて、10倍以上の費用差が出るケースも珍しくありません。
カビや腐食で室内環境が悪化
外壁内部に入り込んだ水分が室内側にまで届くと、断熱材のカビ発生や木材の腐朽といった深刻な被害が起こります。これにより、健康被害や住環境の悪化、家の資産価値低下にも直結します。
外壁の剥がれ・膨れ・ひび割れなど、凍害が疑われる症状を見つけたら、自己判断せず早めに専門業者へ点検を依頼することが非常に重要です。小さなサインのうちに対応することで、建物を長く安全に守れます。
凍害チェックポイント(掃除のついでに確認!)
凍害は、気づかないうちに進行してしまうことが多いトラブルですが、日常的な掃除やベランダ・外壁まわりのお手入れのついでに少し注意して見るだけでも、早期発見につながります。特に冬場は外壁の状態が出やすい時期なので、次のようなポイントを意識してチェックしてみてください。
外壁を触ると粉がつく(チョーキング)

手に白い粉が付く現象で、塗膜が劣化して防水性能が落ちているサインです。この状態の外壁は水を吸いやすく、凍害が発生しやすくなります。
表面がポコッと膨れている(膨れ・ブリスター)

外壁内部に水が入り込み、凍ったときの膨張圧で表面が押し上げられている状態です。見た目以上に内部がダメージを受けている可能性があります。
ひび割れ(クラック)が増えてきた

細いひびでも水は簡単に浸入します。ひびに溜まった水が凍ることで内部から劣化が進み、ひび割れがさらに広がる悪循環を招きます。
サイディングの継ぎ目(シーリング)が割れている

シーリングが硬化・ひび割れしていると、そこから雨水が侵入し、壁内で凍結します。凍害だけでなく、断熱材の湿気・カビ被害につながることもあります。
冬の朝、外壁が結露して乾きにくい
北側・日当たりの悪い面は常に湿気が残りやすく、凍結と融解のサイクルが繰り返されるため凍害のリスクが高くなります。
これらの症状は、凍害の初期段階で見られる非常に重要なサインです。
▼大和市の施工事例をご紹介
ウスイ建装の施工事例ページでは、現地調査でのクラック、シーリングの劣化の様子なども写真付きで詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください!
凍害の修繕方法は?状況によって適切な施工を選ぶ
凍害は症状の進行度によって必要な修繕内容が大きく変わります。外壁がどこまでダメージを受けているかを正しく見極めることが、最適な施工につながります。
軽度:表面の塗膜剥がれ・小さなひび割れ
外壁表面だけが傷んでいる状態で、早期対応なら比較的軽い工事で済みます。外壁を保護することで、凍害の進行をしっかり抑えられます。
- ひび割れ補修(コーキング)
- 下地処理+高耐久塗料で再塗装
中度:膨れや部分的な欠落
内部まで水が入り始めているサインで、表面の膨れや欠けが目立つ段階です。外壁の状態を整え、強度を回復させる必要があります。
- 浮き部分の除去
- 下地補修後、外壁全体の塗装
重度:内部の破壊が進行
外壁材がスカスカになっていたり、大きく欠落していたりする場合は構造的な補修が必要です。放置すると雨漏りや躯体の腐食につながるため、早急な対応が大切です。
- 外壁の張り替え
- サイディングカバー工法(上張り)
- 大規模防水工事
凍害は早めの修繕ほど費用を大きく抑えられるため、気になる症状を見つけた段階で専門業者へ相談するのがおすすめです。
凍害を防ぐための予防策【プロが推奨】
凍害は一度発生すると進行しやすく、外壁や建物内部まで影響を及ぼすことがあります。しかし、正しいメンテナンスを行えば、発生を大きく抑えることができます。ここではプロが推奨する凍害対策を詳しく解説します。
定期的な外壁メンテナンス(7〜10年ごと)
外壁塗装は単なる美観回復ではなく、外壁の防水機能を復活させる最も重要なメンテナンスです。塗膜の防水性が高いほど水が外壁内部に染み込みにくくなり、凍結による膨張ダメージを根本から予防できます。
シーリングの打ち替え(サイディング住宅は必須)
サイディングの継ぎ目部分は劣化するとすぐに隙間ができ、水の侵入口となります。特に凍害は“内部に入った水”が凍ることで進むため、目地からの浸水を防ぐことは最重要ポイントです。
早めのひび割れ補修
ヘアクラック(髪の毛のような細いひび)でも、雨水は簡単に内部へ浸入します。細かいひびの段階で補修すれば軽度で済みますが、放置すると内部まで凍害が進行し、大規模工事につながることもあります。
吸水しにくい高耐久塗料を選ぶ
凍害予防には「水を吸わない塗膜」をつくることが最も有効です。特に以下の塗料は耐久性・防水性が高くおすすめです。
- フッ素塗料:超高耐久で汚れに強い
- 無機塗料:吸水しにくく劣化しにくい
- ラジカル制御型塗料:紫外線に強く、塗膜が長持ち
これらの塗料は耐用年数が長く、特に冬の凍害対策として非常に効果的です。
凍害は「予防が何より重要」。定期的な点検とメンテナンスを行うことで、建物の寿命を大きく延ばすことができます。
まとめ:凍害は早期発見がすべて!
凍害は冬の厳しい気候によって起こる外壁の深刻なトラブルです。しかし、早めの点検・補修・定期メンテナンスを行うことで、被害を最小限に抑えることができます。日常の掃除や外壁の点検時に小さなひびや膨れを見つけたら、それが大きなトラブルの前兆かもしれません。
「最近、外壁の様子が気になる」「剥がれや膨れが出てきたかも?」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
株式会社ウスイ建装では、外壁の劣化診断、最適な補修・塗装プランのご提案まで一貫して対応しています。ホームページからは無料相談、お見積りを随時受け付けておりますので、「不安だから念のため見てほしい」という気軽なご相談も大歓迎です。
冬の凍害から大切なお住まいを守り、安心して長く暮らせる家を一緒に維持していきましょう!
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