コラム
ケレンとは?外壁塗装の効果を高める基礎知識
こんにちは!外壁・屋根の塗装をはじめ、お住まいのリフォーム全般を手がけている株式会社ウスイ建装です。
外壁塗装を検討している方の中には、「ケレン」という言葉を初めて耳にする方もいらっしゃるのではないでしょうか?少し専門的に聞こえるかもしれませんが、実はこの「ケレン作業」こそ、塗装の仕上がりや耐久性を左右する非常に重要な工程なのです。
この工程を丁寧に行うことで、塗装後の剥がれや浮きを防ぎ、塗料本来の性能を十分に発揮させることができます。
今回は、外壁塗装に欠かせない「ケレン」について、専門用語に慣れていない方でもわかりやすくご紹介します。塗装工事を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
ケレンってなに?外壁塗装に欠かせない下地処理
「ケレン」という言葉を聞き慣れない方も多いかもしれません。でも、外壁塗装において「ケレン作業」はとても重要な工程のひとつです。簡単に言うと、塗装前に外壁や金属部分の表面を整える“下地処理”のことを指します。
具体的には、古くなった塗膜やサビ、ホコリ、汚れなどを専用の工具やヤスリを使って丁寧に削り落とし、新しい塗料がしっかり密着できる状態をつくる作業です。この一手間が、塗装の仕上がりと耐久性に大きく影響します。
このケレン作業をしっかり行うことで、塗膜がはがれにくく、塗料の性能も長持ちします。逆に、ケレンを省略したり手を抜いたりすると、せっかく高品質な塗料を使ってもすぐに剥がれたり、ふくらんだりしてしまうことがあるのです。
見た目だけでなく、長く美しい仕上がりを保つためにも、ケレンは欠かせない“縁の下の力持ち”なんですよ。
ケレンを怠るとどうなる?よくある失敗例
ケレン作業は見た目には分かりにくい工程ですが、ここをおろそかにすると、後々トラブルにつながることがあります。
たとえば…
- 数年で塗膜が剥がれてしまった
- 表面がザラザラしていて美しくない
- 塗装後まもなくサビが浮き出てきた
これらの症状は、塗料がしっかり密着していないことが原因で起こることが多く、その原因のひとつが「ケレン不足」です。塗料は表面が滑らかで清潔な状態でなければ、その性能を十分に発揮できません。
せっかく高品質な塗料を選んでも、下地処理が不十分だと意味がありません。それが塗装工事の難しさでもあり、ケレンがいかに大切な工程かを物語っています。
見えないからこそ手を抜かず、しっかりと時間をかけて行うことが、長持ちする塗装を実現するためのカギになるのです。
ケレン作業の工程と使う道具
ケレン作業は、塗料の密着性や耐久性を大きく左右するため、丁寧に行う必要があります。実際の工程について一例をご紹介します。
1. 表面の確認
作業の流れとしては、まず「表面の確認」から始まります。外壁や鉄部など、塗装する箇所の状態をよく観察し、古い塗膜の剥がれやサビの程度、汚れの付着状況などをチェックします。
2. 古い塗膜やサビの除去
次に、「古い塗膜やサビの除去」を行います。この工程では、ワイヤーブラシ、サンドペーパー、スクレーパーといった手工具が使われるほか、広い面や深いサビがある場合には、電動サンダー、ディスクグラインダーなどの機械工具も用いられます。
3. 表面の整え・清掃
除去作業が終わったら、「表面の整え・清掃」を行い、細かなチリや削りカス、ホコリなどをきれいに取り除きます。この最後の仕上げが甘いと、塗料がしっかり定着せず、後に剥がれや膨れといった不具合が出てしまう可能性があります。
劣化の状態や素材に応じて道具を選び、ムラなく均一な下地をつくることが、美しく長持ちする塗装を実現するカギなのです。ケレンは地味に見える作業ですが、プロの技術と判断が問われる非常に重要な工程です。
ケレンには種類がある?「1種〜4種」の違いとは
ケレン作業と一口にいっても、実はその内容には段階があり、「1種〜4種」という4つの分類があります。これは、下地の状態や素材、求められる仕上がりによって作業の強度や手法が異なるためです。以下に、それぞれの特徴を簡単にご紹介します。
1種ケレン
最も強力なケレン方法で、ショットブラストやサンドブラストなどの機械を使って、塗膜やサビを全面的に削り落とします。発電所や工場など、大規模で重防食が必要な構造物に使われることが多く、住宅ではあまり見かけません。
2種ケレン
広範囲にわたるサビや古い塗膜を、電動工具などを使ってしっかり除去します。鉄骨階段や鉄製の外構など、しっかり密着させたい部分で使われます。
3種ケレン
軽度なサビや汚れをワイヤーブラシやヤスリなどで落とす方法で、戸建て住宅の鉄部などで最も一般的なケレンです。
4種ケレン
表面を軽くこすって塗料の密着性を高める「目荒らし」や、チリ・ホコリの除去など軽微な清掃レベルの処理です。劣化がそれほど進んでいない場合に行われます。
一般的な住宅塗装では、この3種・4種ケレンが中心となります。塗装の持ちを良くするには、下地の状態に合った方法を選ぶことがとても大切。経験豊富なプロであれば、現場の状況を見極めて適切なケレン作業を行うことで、仕上がりと耐久性を両立させることができます。
ケレンの有無でここまで違う!密着力と耐久性への影響
ケレンというと「ただの掃除でしょ?」と思われがちですが、実はそれ以上に重要な役割があります。ケレンは単なる清掃作業ではなく、塗装前の下地を“あえて少しザラつかせる”処理。これによって、塗料との密着力が格段に高まるのです。
しっかりとケレンが行われた面には、塗料がしっかりと吸いつくように定着し、剥がれにくく、耐候性に優れた塗膜が形成されます。雨風や紫外線といった過酷な自然環境の中でも、塗膜がしっかりと機能してくれるので、塗装の寿命にも大きく関わってきます。
一方で、ケレンが不十分だと塗料が下地になじまず、数年で剥がれたり浮いたりしてしまうリスクが高まります。見た目はキレイに仕上がっても、すぐに不具合が出てしまえば意味がありません。
ケレンを丁寧に行うことで、塗料本来の性能がしっかりと引き出され、結果的にメンテナンスの頻度も減らせてコストパフォーマンスも良くなるのです。まさに“見えないけれど欠かせない工程”といえますね。
プロが語る「丁寧なケレン作業」が信頼できる理由
外壁塗装の現場で、私たちプロが何よりも大切にしているのは、「見えない部分ほど手を抜かない」という姿勢です。中でも、ケレン作業はとても重要。塗料の密着性や耐久性に大きく関わる工程であるにもかかわらず、完成後は見た目に表れにくい作業でもあります。
実際、工程表には「ケレン作業あり」と書かれていても、その内容がどれだけ丁寧に行われたかは、お客様には分かりづらい部分です。だからこそ、私たちはこのケレンを丁寧に行うことで、職人としての誠実さと技術力をお届けしたいと考えています。
丁寧なケレンは、ただの“作業”ではなく、塗装の仕上がりを支える“基盤”です。この部分をしっかり行うかどうかが、長く美しい仕上がりを保てるかどうかの分かれ道になります。
見積もりの際には、ぜひ「ケレンはどのように行いますか?」と質問してみてください。その問いに対して、使用する道具や作業範囲、目的まできちんと説明してくれる業者は、きっと全体の施工品質にも自信を持っているはずです。
外壁塗装は長く付き合っていく大切な工事だからこそ、信頼できる業者選びのヒントは“見えない作業”の中にこそあると、私たちプロの施工業者は常に考えています。
DIYでケレンはできる?メリットと注意点
外壁塗装の下地処理として重要な「ケレン作業」。これをDIYでやってみようと考える方もいらっしゃるかもしれません。確かにケレンは見た目にはシンプルな作業に見えますが、実は仕上がりや耐久性に直結する“技術の要”ともいえる工程なのです。
DIYでケレンを行うメリットとしては、業者に依頼するよりもコストを抑えられることや、自分のペースで作業を進められる自由さが挙げられます。特に一部分だけの補修や小さな鉄部などであれば、比較的手軽に取り組めることもあるでしょう。
ただし、注意すべき点も少なくありません。ケレンには専用の工具(ワイヤーブラシ、サンダー、スクレーパーなど)や防塵マスク・手袋といった安全装備が必要です。また、見た目が整っていても、下地処理が不十分だと塗料の密着が悪くなり、数年以内に剥がれや膨れが発生してしまうリスクがあります。
さらに、高所での作業や金属部分のサビ落としにはケガのリスクも伴います。不安定な足場での作業や重い電動工具の扱いに慣れていない場合、思わぬ事故につながる可能性もあるため、慎重な判断が必要です。
部分的な軽作業であればDIYでも対応可能なケースはありますが、外壁や戸袋など広い範囲を施工する場合、また仕上がりの美しさや耐久性を重視する場合は、やはりプロに依頼するのが安心です。
まとめ:ケレンを知れば、塗装の良し悪しがわかる
外壁塗装や屋根塗装は、ただ塗料を塗るだけの作業ではありません。塗装を“長持ちさせる土台”となるのが、この「ケレン作業」です。
ケレンを丁寧に行うことで、塗料がしっかりと密着し、剥がれにくく、長持ちする塗膜が完成します。逆にこの作業が不十分だと、いくら良い塗料を使っても、数年で劣化が進んでしまうこともあるのです。
だからこそ、「どんな塗料を使うか」だけでなく、「どれだけ丁寧なケレンがされているか」も、塗装の品質を見極めるポイントになります。
株式会社ウスイ建装では、こうした下地処理にも一切手を抜かず、見えない部分こそ丁寧に仕上げることを大切にしています。お客様が安心して長く暮らせる塗装工事を提供することが、私たちの使命です。
塗装に関するお悩みやご質問があれば、どんな小さなことでも構いません。どうぞお気軽にご相談くださいね。しっかりと向き合い、わかりやすくご説明させていただきます!